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【書籍出版お知らせ】2月28日発売『東電福島原故 自己調査報告』

2021.02.16

自著『東電福島原故 自己調査報告(細野豪志・著 開沼博・編 / 1,700円+税)が徳間書店より発売されます。

 

◎主な対談者
田中俊一(初代原子力規制委員会委員長) ※対談VTR
近藤駿介(元原子力委員会委員長)
磯部晃一(元陸上自衛隊東部方面総監/陸将)
森本英香(元環境事務次官)
佐藤雄平(前福島県知事)
遠藤雄幸(福島県川内村村長)
渡辺利綱(前福島県大熊町長)
緑川早苗(元福島医科大学内分泌代謝専門医)
竜田一人(『いちえふ福島第一原子力発電所労働記』作者)
遠藤秀文(株式会社ふたば代表取締役社長)
南郷市兵(福島県立ふたば未来学園高等学校副校長)
大川勝正(株式会社大川魚店代表取締役社長)
林智裕(福島県出身・在住ジャーナリスト)

 

 

◎掲載記事

論座「福島の甲状腺検査の倫理的問題を問う」

WEDGE「今こそ、なぜ「フクシマ神話」が生まれてしまったのかの検証を」

alterna「細野豪志議員と森本・元環境次官が語る「原発事故後」」

毎日新聞政治プレミア「人口急減 福島の課題は日本の将来を先取り」

 

カンニング竹山 氏(タレント)

この10年で僕は福島が好きになった。だからこそ教えて欲しいんだ、あの時本当は何が起こっていたかを!

 

田原 総一朗 氏(ジャーナリスト)

福島の原発事故については数多くのルポルタージュや論文が出ているが、細野豪志氏は、それらのどの著者よりも、事故問題の中枢にいた人物である。その細野氏が、事故直後、そして10年後にあらためて現場の主たる人物たちに問う。細野氏自身の自己省察の記録で、自分の誤解や失敗も包み隠さず記した。開沼博氏の表現によれば、見事な「自己事故調査」である。

 

三浦 瑠璃 氏(国際政治学者)

細野豪志さんから近日発売予定の『東電福島原発事故 自己調査報告 深層証言&福島復興提言:2011+10』徳間書店のゲラをいただいた。『「フクシマ」論』で知られる社会学者、開沼博さんとの共著のかたちで、ジャーナリスト林智裕さんとともに当事者や関係者との対話を積み重ねて作られた本だ。

わたしは福島や原発事故に対する専門的な知見を一切持たない。ちょうど30歳を超えたときに東京で遭遇した東日本大震災と原発事故は、わたしにとって大きな事件であったが、当時の私の主要な記憶は、絶対安静の生活を強いられた妊娠後期のハイリスク妊婦として、小さな命を守りながら、細野さんも含めた政府の発信する情報を、心細く感じながらただテレビで見ていることしかできない、そんなものだった。

民主党政権は東日本大震災後、ますます人気を失い、2012年末の選挙での敗北につながる。わたしと同世代の論客はいずれも3.11に大きく影響を受けたと語る。そのときの恐怖や希望、対立や絶望をビビッドに経験しているからだろう。

しかし、逆にそれだからだろうか。わたしは当時言論活動に加わっていなかった結果として、福島をめぐる「政治」に巻き込まれることもなかった。そして、その後の被災者がおかれた状況に対する遠く離れたところからする観察者でしかなかった。その離れたところから見れば、東日本大震災と福島第一原発事故のその後が示した状況は、人間の歴史の縮図であり、日本の歴史の縮図だった。

危機の際にどこか他人事で、組織の論理にばかり目が向いてしまう習性、リーダーシップが最も求められる場面で、決断できずに流されてしまう人。安心に寄り添おうとしてかえって被害を拡大してしまう誤ったリスクコミュニケーション。人間の火事場における死に物狂いの頑張りと、そこで編み出される創意工夫。異なる目線で物事を見るときの意思疎通の不可能性。家族の死に直面しても、あるいは何らかの恐怖におびえていても、人間はあすもあさっても、ものを食べて水を飲んで生きていかねばならないという事実。「あってはならない事故」が起きても、世界は勝手に崩壊などせず、わたしたちはその後始末をして生きていかねばならないということ。

わたしがこの本を読んで感じたことは、細野豪志さんが驚異的な粘り強さでもって、この10年間の社会と自己の調査報告を提出したということへの感嘆の念だ。全体を広く見ていた、しかも当事者であった人間で、幅広いものを背負わなければならないという使命感を持った人ならではの、作業であったと思う。当事者が交わす対話から浮かび上がってくる当時の事実や雰囲気は、政府や民間の事故調の報告書とは異なる深みがある。評論ではなく、糾弾でもなく、人間が困難さに向き合いつづけた記録というにふさわしい何かである。

この本を要約するのは難しい。具体的に踏み込んだメッセージとして、目を惹くものはいくつもある。トリチウムが含まれた処理水の海洋放出をすべきだというメッセージや、中間貯蔵施設に保存された除染土に対して、何かに使用することも含めて合理的実用的視点から解決を図ろうとする提言。子供たちに一律に甲状腺がん検査を行うことの害を説き、そのデメリットを考えれば考え直すべきだという提言。政府がもっと前面に立ってリスクコミュニケーションをはかり、福島の被災当事者が苦しまないですむようにすること。意思決定に至ったプロセスを可視化し検証可能なものにすべきこと。それは細野さん自身が民主党政権及びその後の自民党政権下で議論に加わってきた事柄を、この10年間の知見を踏まえてしっかりと総括しているということでもある。一つ一つの提言はぜひ広く世の中に伝わってほしい。

ただ、本書の価値をひとつに絞るならば、それはこのようにひとつの事象に全力で取り組み、つぶさに、全体を見て取ることこそ、そのほかのすべてに通底するリーダーの社会に対する関わり方であるべきではないかということだ。政局や世論の風向きを読むことよりも、よほど大事な資質である。大事な本をいちはやく読ませていただいた読者として、細野さんに感謝を申し上げたい。

 

田中 秀臣 氏(経済学者・上武大学教授)

東電福島原発事故への対応の責任者(原発事故収束担当大臣・環境大臣)であった政治家が、10年を経て、当時の政府が下した政策の現在における帰結を、痛切な問題意識とともに“自己検証”した一書である。

今も3.11に真摯に向き合う人たちとの対談、政治家としての現時点での具体的な提言、そして開沼博氏の周到な編集と解説とで織りなした、今後も長く参照される本である。

重大な問題の解決のために、さまざまな利害関係者との調整の末に、その当時は最善と思われた方針、あるいは緊急避難的に採用した政策が、その後独り歩きを始めてしまい、いつの間にか問題解決のための「手段」であったものが、「目的化」することはよくあることだ。一面ではそれだけ重大事に関する政策決定は重いともいえるが、やはり「手段の目的化」は効用よりもはるかに弊害が大きい。「手段の目的化」という本末転倒に至っていないか、常に政策当事者はそのチェックを怠るべきではないだろう。

だが、そうは言ってもなかなか実現できていないのが今の日本の政治の世界だ。3.11から10年がまもなく経過する中で、当時の政策の効果とその手段の有効性を総合的に検討する動きは、最近の新型コロナ危機への対応に忙殺されているとはいえ、政府・与野党ともに政治の場の意識は低い。その中で本書の貢献は読めば明らかである。

本書で明らかにされている「手段の目的化」の例示は、開沼氏がまとめているように「追加被曝年1ミリシーベルトの呪縛や、食品基準の設定、処理水や県民健康調査の対応方針」だ。本書を読めば明らかなように、当時としては様々な利害関係者の調整のすえに導き出された緊急避難的対応でもあった。だが、時をこえて「緊急避難的な方策」が、「絶対に変えてはいけない方策」に変更してしまうことに、問題の深刻さがある。これを政策の「経路依存性」とでも表現しよう。科学的な観点からは不合理で、非効率的な「制度」でも、初期の設定に依存してそのまま続いてしまう。これは新型コロナ危機で、なぜ欧米に比して感染症の医療支援体制がすぐに限界に直面してしまうのか、またなぜ世界中が大胆な経済政策を取る中でも「財政規律」を唱えるトンデモ経済論がいまも政治、官僚、マスコミに絶えないのか、それを解き明かすことにもつながる問題設定だ。そういえば、東日本大震災の時に「財政規律」の観点から復興増税を唱えた勢力がいたが、その勢力はいまも「経路依存性」に安住して日本の経済的危機を煽っているではないか。

本書では、この「手段の目的化」「悪しき経路依存性」にいかに対峙するか、その具体策は明らかである。原発事故の処理水の海洋放出の必要性、中間貯蔵施設で安全性の確認された除染土の積極的な再利用、甲状腺検査の過剰診断・治療をなくすこと、なによりも科学の知見を正しく理解し、それを普及させ、福島の食産物をおいしくいただくこと。細野氏の事故=自己反省の書である、本書はわれわれが日本の社会をどう考えていくか、読者自らの自己考察を促すことだろう。

なお事故当時、米軍の太平洋艦隊司令長官が日本にくるくだりを読むと、日本と米国との関係が、緊張感を増し、瀬戸際にあったことがわかる。もし当時、日本が事故への対応をコントロールできていなければ、日本の行政を米軍に一部握られる可能性があったことが、本書で示唆されている。政治が誤れば、本当に「亡国」につながる。それは米国との関係だけではなく、現在、緊張関係にある中国、ロシアなど周辺国家との関係においてもそうなのだ、と本書ではごく一部にしかすぎないエピソードだが、強く印象に残った。

 

上念 司 氏(経済評論家)

福島で起こった事件は実際に起こった事故と、その後拡大した人災の2つに分けられます。

事故は文字通り福島第一原発の事故と人々の避難に関すること、そして、人災とはこの事故を巡ってその後一部の心無い人々が巻き起こした福島に対する風評被害です。本書において細野議員の集めたオーラルヒストリーは、事故の客観的な記録として有用であるだけでなく、風評被害をもたらした人が誰であり、何をしたのかという告発にもなっています。

 

極めて残念なことですが、人災の中心となったのは弱者に寄り添うはずの人々でした。それはいわゆる「リベラル」な大学教授や文化人などの知識層、反原発や反差別を訴える団体やその支持者たち、さらにジャーナリストやアーティストなどです。彼らは「これから必ず恐ろしいことがある」「ガンにかかって早死にする」「子孫に代々奇形が発生する」といった非科学的な風評をまき散らし、その風評に意を唱える人々を「人殺し!」と誹謗中傷しました。彼らは福島に残っていきていこうと決意した福島県民にも容赦しませんでした。

福島産の魚介類を酷いクレームを付けて返品してきた人、福島でスポーツ大会を被爆リスクがあると騒いだ人、甲状腺がんのリスクを殊更に強調してQOLが著しく低下する甲状腺がん検診を強要する人。そして、何よりも問題だったのはその風評を抑止することなく、むしろ助長し垂れ流したマスコミです。これら科学的根拠に基づかないデマや風評が今でも多くの福島県民を傷つけています。

そして、未だこれらの風評を執拗に拡散し続ける活動家が存在する。

本当に嘆かわしいことだと思いました。

ぜひ本書をお読みいただき、福島の本当の姿を少しでも理解してください。

何がデマで何が本当なのか?それを証明するのはエビデンスです。

そして、この本はエビデンスに溢れています。

ぜひお読みください。

私は安全になった福島にちょいちょい遊びに行って、現地で飲んで食べて、大いに支援していくつもりです。

 

早野 龍五 氏(物理学者・東京大学名誉教授)

細野豪志さんの勇気ある「自己調査報告」に感銘を受けました。三章で取り上げられている処理水、甲状腺検査、食品摂取基準などの6つの課題と提案はいずれも首肯できる内容。
 
開沼博さんとは、復興庁の仕事でご一緒させていただきました。気鋭の社会学者が書いた「解題」「おわりに」はさすがに読み応えがある。
 
 
佐々木 俊尚 氏(ジャーナリスト)

この本の注目すべき点は(中略)ステレオタイプな政治家のことばを乗り越えているということです。
自説を声高に訴えるのではなくひたすら謝罪するのでもなく、驚くほど客観的にみずからのおこないを点検しているのです。

詳細
 
 
矢部 達哉 氏(ヴァイオリニスト)

福島原発事故から10年。沢山の問題が現在進行形として解決されないまま山積みになっている。長く普遍的な価値を持つであろう、驚嘆すべきこの著作が、事故から10年後、2021年に出版されたのは必然だったに違いない。

細野氏によって「あなたが福島のためにできること」として出された提言は多くの方々に読まれるべき。

 

大森 真 氏(飯舘村任期付職員、元テレビユー福島報道局長)

10年を機に、当時のキーパーソンと改めて対談し問題点を整理することは大変に重要で、それにより今後の課題と対応が明確に見えて来たと思いました。
特に「甲状腺検査」と「処理水」の二つの問題は、対応を誤ると今後もさらなる実害を招くものだと考えていますので、この本の示す方向性が、多くの人に新たな気づきを与えてくれることを期待しています。
これらの実現のためには、政治の決断力は欠かせません。細野議員が政治の世界の中でどれだけの賛同者を集め、リーダーシップをとって行けるのか、注目したいと思います。